塗装がパリパリ剥がれる主な5つの理由とは?
塗装がパリパリと剥がれてしまう主な原因は、単なる経年劣化だけではなく、施工不良や下地処理の不備、塗料の選定ミスなど、複合的な要素によって引き起こされます。特に「外壁塗装 剥がれ 補修 diy」などのキーワードで情報を探す人にとって、原因を正確に理解していないと再発を招きかねません。ここでは、代表的な5つの原因について、プロ目線で詳しく解説します。
1. 下地処理の不十分さ
塗装工事の前に高圧洗浄やケレン作業で旧塗膜や汚れ、カビ、サビなどを適切に除去していないと、塗膜の密着性が低下し、塗装後すぐに剥がれる原因になります。特に築10年以上の住宅では、外壁表面に劣化した旧塗膜やチョーキングが残っているケースが多いため、入念な処理が必要です。
下地処理の甘さによるリスク一覧
原因
|
起こる現象
|
発生時期
|
高圧洗浄の不備
|
塗膜の浮き・剥がれ
|
数ヶ月以内
|
サビ残留
|
金属面からの剥離
|
1年以内
|
クラック未処理
|
ひび割れ再発と塗膜の割れ
|
1〜2年以内
|
2. 下塗り不足または不適合
外壁塗装では、下塗り・中塗り・上塗りの三層構造が基本ですが、下塗りを省略したり、適したプライマーを使用しなかった場合、上塗りとの密着が悪くなり剥がれやすくなります。特にモルタル外壁にウレタン塗料を使用する際などは、下地との相性に細心の注意が必要です。
3. 塗料の選定ミス
住宅の外壁材や環境条件(湿度・紫外線量・寒暖差)に応じた塗料を選ばないと、数年以内に塗膜が硬化しすぎて剥がれる、あるいは柔らかすぎてひび割れるといったトラブルが発生します。たとえば、金属サイディングにアクリル塗料を使用するのはNGとされています。
塗料の素材別適合表
外壁素材
|
適した塗料
|
使用NG例
|
モルタル
|
シリコン、ラジカル制御型
|
水性アクリル
|
金属系サイディング
|
フッ素、2液ウレタン
|
単層アクリル
|
窯業系サイディング
|
ラジカル制御型、フッ素
|
弱溶剤系シリコン(高温多湿ではNG)
|
4. 乾燥時間の無視
施工工程において、下塗り→中塗り→上塗りの各層の間に十分な乾燥時間を設けないと、後から塗膜が収縮したり、水分が残って膨れ・浮き・剥がれなどの不具合が起きやすくなります。特に雨天・湿度80%以上・気温5度以下での作業はトラブルの原因です。
5. 外壁の素材劣化や環境条件
外壁そのものがすでに劣化していた場合、塗膜が密着しにくくなります。とくに凍害によるモルタルの劣化や、金属サイディングのサビの進行が見られると、その部分だけパリパリと剥がれてしまうことがあります。
パリパリ剥がれの対処法と注意点
- 応急処置としては、100均の補修ペンやパテを使ったDIY方法もありますが、一時的な対処でしかありません。
- 火災保険での補償が適用される場合もありますが、「経年劣化」は対象外となるケースが多いです。
- 剥がれた塗装を放置しておくと、雨水の浸入→下地材の腐食→雨漏り被害に発展することも。
長く美観と機能を維持するためには、「どの原因で剥がれたか」を正確に診断し、素材や環境に合った補修方法を選定することが不可欠です。
モルタル・サイディング・金属素材ごとの劣化症状と原因を解説
外壁塗装の剥がれ方や劣化の進行スピードは、「外壁の素材」によって大きく異なります。たとえばモルタルは凍害に弱く、金属はサビや塗膜の膨れが発生しやすいといった特徴があります。ここでは代表的な3つの外壁素材について、具体的な劣化症状とその原因を解説します。
モルタル外壁の剥がれ
モルタルはセメントと砂を混ぜて塗りつける仕上げのため、乾燥や気温変化によりクラック(ひび割れ)や浮きが発生しやすい素材です。特に寒冷地では凍害による剥離が頻繁に起こります。
モルタル外壁の主な劣化症状と原因
症状
|
原因
|
対処方法
|
クラック(0.3mm以下)
|
経年劣化・乾燥収縮
|
弾性パテでの補修
|
剥がれ落ち
|
凍害・施工不良
|
範囲を削り再塗装
|
チョーキング
|
紫外線劣化
|
高圧洗浄+再塗装
|
特に築20年以上の住宅では、下地ごと崩れるように塗装が剥がれるケースもあり、放置は厳禁です。
サイディング外壁の剥がれ
サイディングはパネル状の外壁材ですが、コーキングの劣化・吸水による膨張・密着不良によって剥がれやすくなります。特に窯業系サイディングでは、表面塗膜が粉状になるチョーキング現象の放置が剥離の原因になります。
サイディング外壁の主な剥がれ原因
- コーキングが劣化して水が侵入
- 吸水により内部からの膨張
- 施工時の塗装密着不良(特にDIY施工)
これらはDIYでの補修が難しいため、プロの点検と再塗装が推奨されます。
金属外壁の剥がれ
金属サイディングやトタン外壁は、サビや表面処理の不備により塗装が浮いて剥がれることがあります。とくに酸性雨や沿岸部などの塩害地域では、塗装の密着性が著しく低下します。
金属素材における剥がれの要因と防止策
要因
|
詳細
|
推奨対策
|
サビの進行
|
下地処理不足・湿気
|
ケレン+防錆処理
|
焼付塗装の劣化
|
紫外線劣化・密着不良
|
下塗り見直し+再塗装
|
表面処理不備
|
DIYによる手抜き
|
プロの再施工
|